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北海道登山の旅 生日記  − 現地からダイジェストをアップしています −  


 
ニセコの山と沼巡り
(五色温泉〜ニトヌプリ〜チセヌプリ〜長沼〜神仙沼〜大沼〜イワオヌプリ〜五色温泉)

10月1日(日)

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 行程  京極町⇒ニセコ⇒京極町
 温泉  ニセコ駅前温泉 綺羅の湯
 キャンプ場  京極町 スリーユーパークキャンプ場


日記

大雪山とお別れして、ニセコまで南下してきた。今日のお題はニセコスキーエリアの偵察とあわよくば紅葉だ。ニセコは言わずと知れたパウダー天国。今さら偵察もくそもないかもしれないが、一度見ておけばイメージは確立されるだろう。イワオヌプリからチセヌプリまで歩いてきた。

コースタイム 五色温泉(6:30)⇒ニトヌプリ(7:50〜8:05)⇒チセヌプリ(9:25〜40)⇒長沼(10:35〜45)⇒神仙沼(11:00)⇒大沼(11:55〜12:15)⇒イワオヌプリ(13:35〜50)⇒14:40)

朝の気温は6度。かなり冷え込んだ。今まではスリーシーズンの寝袋をチャックを全開にして(サンマの開き状態)、掛けふとんのような格好にして寝ていた。でももうダメ。ちゃんと袋にして寝ないと朝方は寒い。寒くなると寝起きも悪くなってきた。まだ大丈夫だろうと思いつつも、今日は日曜日で五色温泉の駐車場が満杯になるのを恐れて、早めの出発にした。4時半起き5時出発。テントは張りっぱなしなので楽勝。

ニトヌプリ

小イワオヌプリとの鞍部

五色温泉の駐車場はガラガラ・・・。早起きの必要なしだった。でも、今日は意外と長い行程なので、早起きは三文の徳と思っておこう(実際、早くから雲が出てきたので正解だった)。思えば6月の末に北海道に上陸し、一番最初の山がこの五色温泉からのイワオヌプリだった。懐かしさを感じる間もなく、いきなりの急な階段登り。うんざり・・・。

ニトヌプリ山頂より  蘭越は雲海

ニトヌプリ山頂より  チセヌプリ

紅葉はまだ五色温泉やその上の方では1週間早いかなといったところ。ニセコは高いところは笹とハイマツなので、紅葉としては中腹が対象となる。さすがに1000mより下ではまだ早かった。イワオヌプリの取り付きあたりでは、開けたところにダケカンバとナナカマドが点在しているので、紅葉したらきれいかもしれない。ただ今年は色付きは良くなさそう。色付くまでに枯れてしまっている葉っぱが目立った。

チセヌプリ山頂近くにある沼

シャクナゲ岳(日の照ってる山)


イワオヌプリの取り付きを過ぎると、あとはずっと笹主体の道となる。つまらん・・・。ジグザグを登り切ってもまだニトヌプリの山頂は先。つまらない道が続く。実際、ニセコはイワオヌプリ周辺が一番景観がよろしい。あとは笹とハイマツなので、歩いていて楽しくはない。視界が開けた時には、スキールートの物色に専念していた。ニトヌプリの山頂で、余市からのおじさんが追いついてきた。

ニトヌプリを下ると車道に出る。変な感じだ・・・。そして再び登り。300mのひたすら登りだ。真後ろから太陽が照り付けてきて暑い。汗が顔から滴り落ちてくる。朝の気温からして、今日は汗なんかかかないとおもって、タオルを持ってこなかった。失敗だ・・・。チセヌプリの山頂はだだっ広く、展望はイマイチだった。いつも間にやら出てきた雲が、あっという間に空の半分くらいを占めるようになった。

長沼とチセヌプリ

看板がかわいい!

チセヌプリを下り始めて間もなく、先に出て行った余市のおじさんがまた登ってきた。聞くと、下りが急で、降りてまた登ってくるのがいやになったそうな。同じコースを往復する予定だったみたい。ボクらは降りて沼巡りをしながら周回コースを戻ると言うと、「じゃあ、後ろを着いて行きます」なんてことになった。実際はおじさんがずっと先頭だったのだが。

長沼のほとりに出たが、背丈の高い笹に視界を阻まれて何も見えない。湖畔に出る道のところに行って初めて池の全貌が見える。この長沼、干上がるのが早いか、雪に覆われるのが早いか・・・。堰堤のようなものもあった。太陽が当たってないので、景色も白黒だ。

神仙沼手前の湿原

神仙沼は曇りで残念

長沼を過ぎると車の音が大きくなり、人の気配も濃くなってきた。神仙沼は観光客の領域。スニーカーやら町の格好やらで歩いている人がほとんどだ。登山スタイルで歩いているウチらが、逆に不似合いに感じてしまう。神仙沼は紅葉が盛りの時にはきれいそうだが、今日のところは紅葉も早いし、天気もイマイチで見栄えはしない。神仙沼から一歩外に出ると、また登山スタイルをした人の領域となる。ここから大沼までは、丈の高い笹の壁の中を歩く。笹の大谷ってところか・・・。またまた車道を横切った。

大沼とイワオヌプリ

硫黄鉱山跡の沢を見下ろす
  

大沼は今日一番の見所だったかも。沼ノバックがイワオヌプリってのがポイント高い。もう少し日差しがあって、紅葉も進んでいたら、神仙沼に負けず劣らずのスポットかもしれない。大沼を離れると、沢を横切るために登って下るようになっている。面倒だなあ・・・と思っていたが、この沢が意外な見所だった。硫黄鉱山跡となっているだけあって、気も何も生えてない、賽の河原状態だった。その縁には潅木が生えていて、なかなかの雰囲気。ダケカンバがまだらに生えているので、なんだかリンゴ畑の中を歩いているようだった。

イワオヌプリ山頂部

イワオヌプリより  大沼が見える
  

時間と体力があったら、イワオヌプリも登ろうと考えていた。どちらもあったのでまた登ることに。余市のおじさんも付き合いがよい。一緒に登った。荒涼とした景色のイワオヌプリはお気に入りだ。山頂だけの往復のつもりが、結局はついでということで、山頂部を一周することになった。大沼を見下ろせ、今日歩いたコースの大半を回想することができた。天気のほうもまあまあで落ち着いているし。イワオヌプリは五色温泉から1時間ほどで登れることもあって、神仙沼状態まではいかないが、観光の延長で登ってきている人が多かった。ここを機に、山登りにはまる人がいるかもしれない。ハイキングコースと沼巡りコースをつないだ形の今日のルートだが、終わってみれば休憩込みで8時間。お手軽コースを通り越してしまった。でも、盛りだくさんのルートだったので充実した一日だった。


■スキーパラダイス ニセコ

さて、パウダー天国ニセコのインプレッションは・・・
規模的にはコンパクトだが、適度な斜面は無尽蔵にある。そして、どれもアプローチがよい。とくに惹かれたのはアンヌプリの裏側とチセヌプリの表側。ワイスホルンもまったり系スキーには良い。その他もどこを滑っても楽しそう。ルートは概して単純。だいたいが、スキー場か車道に下りつくので、視界不良でも迷う心配もなさそうだ。 雪崩と怪我以外の遭難は考えにくそう。人もたくさん入っていることだろうし。パウダー天国の要素がギュっとつまったエリアだ。今回は偵察をしたが、収穫としてはとくに偵察はいらないかなということ。あとは実際に雪が着いてから、斜面を物色すればOKかなと。

そんなお手軽で粒ぞろいのニセコだが、毎回毎回ここを滑っていたんでは、そのうち飽きてしまうだろうなあ・・・。純粋なパウダー狙いの人には願ってもないエリアだが、ちょっと山っぽいところに入りたい人にとっては、物足りない部分もありそう。恐らくだが、ニセコでは完全燃焼できないのではないか。やはり山からスキーに入った人間にとっては、同じエリアばかりではつまらない。色々な山に登ってみたい。誰もいないマイナーな山に登って、仮に滑りが楽しくなくても、完全燃焼できれば充実感はある。

とはいえ、ニセコが素晴らしいのは明白(まだ滑ったことないけど)。ニセコでも滑らせてもらい、他でも登って滑らせてもらい、そのミックス加減を個人個人で調節すれば完璧だ!


ニセコ駅前温泉の綺羅の湯で汗を流す。腹は中途半端。キャンプ場に戻ってから、カップラーメンの豪華夕食にありついた。キャンプ場はガラ空きだったにもかかわらず、ボクらのテントの至近距離に家族連れのでっかいテントが・・・。囲まれた状態になっているので、ボクらの居場所はなくなった。どういう神経してるのか・・・。子連れキャンパーは最悪。暗くなって灯りギラギラだし。そんな至近距離で寝れやしない。しぶしぶテントを引越し。あの人たち、なんで引越ししたのはわかっているのかなあ・・・。南風が入って空はどんより。今晩は寒くない。蚊もいた。明日の予定は未定。天気を見てからだな。
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