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北海道登山の旅 生日記  − 現地からダイジェストをアップしています −  


大雪山 北部周遊

愛山渓温泉⇒裾合平⇒旭岳⇒北鎮岳⇒愛別岳⇒愛山渓

7月26日(水)〜27日(木)


 行程  1日目:愛山渓温泉⇒沼ノ平⇒裾合平⇒姿見⇒旭岳⇒裏旭
 2日目:裏旭⇒北鎮岳⇒愛別岳⇒沼ノ平⇒愛山渓温泉
 温泉  1日目:当然なし  2日目:愛山渓温泉
 キャンプ場  1日目:裏旭  2日目:愛別きのこの里キャンプ場


今日の一枚
当麻乗越付近からの旭岳


日記


コースタイム 1日目 愛山渓温泉(6:00)⇒沼ノ平(7:40)⇒当麻乗越(9:30)⇒裾合平(10:50)⇒姿見平(12:05〜12:35)⇒旭岳(14:40)⇒裏旭(15:10)
2日目 裏旭(4:45)⇒間宮岳(5:15)⇒北鎮岳(6:40〜7:00)⇒比布岳(8:00)⇒愛別岳分岐(8:40)⇒愛別岳(9:20〜40)⇒愛別岳分岐(10:20)⇒安足間岳(10:40〜11:30)⇒当麻乗越(13:05)⇒沼ノ平(14:00)⇒愛山渓温泉(15:40)

■7月26日(水)  ⇒  ⇒ 


ずっとずっとずっと続いていた不安定な天気。これもやっと終わりのようで、週間天気予報は晴れマークが並んだ。天気が悪い間ずっと暖めていた愛山渓からのこの計画がやっと実現する。準備万端で迎えた朝方はなんと雨。明るくなる頃にはやんだが曇り空。まあ予報を信じて出発。

愛山渓への道路は工事のようで、今週は時間を区切った通行止め。行きはいいが帰りに引っかかりそう。愛山渓温泉の駐車場には先客2台。どこに行くのかな・・・?依然として曇り空の中歩き始める。谷沿いから分岐を右に取ると、斜面の急登となる。

★沼ノ平

だんだんと木が低くなってきて、笹主体になってくると沼ノ平の一角。沼と池塘が点在し、晴れていると雰囲気のよさそうなところだが、残念ながらまだ空は雲がほとんど。でも、そのうちだいぶ雲が取れてきて、永山岳や当麻岳が見え隠れするようになってきた。


沼ノ平
当麻岳にかかる雲が取れてきた

★当麻乗越

沼ノ平から当麻乗越にかけてはぬかるみがひどく、雨上がりだけに靴は受難だ。当麻岳からの尾根末端に近い1590m点からの眺めは、晴れていれば格別に違いない。意外ときつい登りを登り切ると当麻乗越。登っただけに、沼ノ平の地塘が光ってきれいだった。晴れていればもっと・・・・。当麻乗越を超えるとピウケナイ沢の渡渉。川幅は2m以上。間には水深3センチのところに石が隠れていて、一か八かその石を中継点にしてジャンプ。セーフ!T世さんは安全策で靴を脱いで渡渉。かなり冷たかったみたい。

当麻乗越から沼ノ平を見下ろす
気持ちよさそ渡渉点うなピウケナイ沢


★裾合平


裾合平はチングルマの大群落で有名。もしかしたら大群落地は少し中岳方面に寄ったところかもしれないが、周辺のチングルマはやや盛りを過ぎてしまった感が・・・。それでも雪渓が融けたばかりのところなどは、密度の濃いチングルマが咲き誇っていた。

大塚、小塚、安足間岳
愛山渓から裾合平までの間は、お客さんはかなり少なめだったが、裾合平は賑わっていた。旭岳ロープウェイの方から花目当てで来るみたいだ。お客さんの数に比例してか、これまでぬかるみがちだった道もよくなる。整備もきっちりされているようだ。

お客さんの数に反比例するのが景色。好みもあろうが、ロープウェイから裾合平の間は、沼ノ平から裾合平に比べると、かなり見劣りするような・・・。沼もなければ花も少ない。荒涼とした旭岳の景色を引きずっているみたいだ。

★姿見平から旭岳

だんだんと晴れ間の占める割合が増えていたのに、ロープウェイに着くころには雲り空ベースに逆戻り。小雨もパラパラと降ってくるではないか・・・。これから旭岳越えだというのに。お昼を過ぎているので、さすがに下山する人ばかり。すぐにガスの中に突入。黙々と登り詰めた山頂もガスで視界なし。山頂を素通りし、今日の泊まり場である裏旭を目指す。前回の旭岳は利尻山まで見えたのになあ・・・。えらい違いだ。

★裏旭キャンプ場

視界不良の中、テン場はみつかるのか・・・。下り始めると雪渓に出くわす。前回よりも今年はかなり多く残っているような気がする。水は安心だが、テン場が雪のしただったらどうするべ。まあ、雪の上に張ればいいか。そんな心配は取り越し苦労で、盛り上がったところにテン場発見。かなりきっちり整地され、石垣まで積んであるスペースが十数張り分。お盆など最盛期はここも混みあうんだろうなあ。

旭岳と熊ヶ岳の鞍部に当たるここは、風の通り道になっているみたい。ビュービューと霧を含んだ風が押し寄せてくる。石垣があって助かった。暗くなるころに雲が取れ、青空が広がるようになってきた。そんなころ、遅着の2人組みがテン場到着。今夜はかなり寒そうだぞ。




■7月27日(木)  ⇒  ⇒ 


夏用しシュラフでは寒かった・・・。朝起きたら快晴!そのぶん冷え込んだか。雪渓から流れてくる水の端っこは薄く凍っていた。さすが北海道・・・寒いってことを再確認。今日は長い行程だし、愛山渓からの車道の規制をかわさなければいけない。よって早出は必須。ラーメンを流し込み、朝日に染まる旭岳を見ながら撤収。2人組みは明るくなり出す3時半くらいには出て行ったのでは・・・?

★裏旭から北鎮岳

きのう何も何も見えなかったのがウソのような、雲ひとつないお天気。身も心もウキウキだ。登り坂を登っていても、感じる苦痛がまったく違う。後ろに熊ヶ岳の人面雪渓を見ながら、まずは間宮岳を目指す。

裏旭テン場の夜明け
熊ヶ岳の人面雪渓


間宮岳まで来ると、忠別岳方面への独特の広い尾根、そしてその先に要塞のようなトムラウシ山が座っているのが見えてくる。大雪山を代表する景色のひとつだ。この景色は間宮岳のみ。ここからは北鎮岳を目指すので、この絶景からはお別れ。中岳あたりでは裾合平が見下ろせる。この間の道も歩いてみたい。絶対にすごい景色が待っているのは間違いないはず。


間宮岳から忠別岳方面
同左 トムラウシ方面


黒岳方面への分岐で夫婦(多分)とすれ違った。黒岳のテン場からだろう。うちらも早出だったが、そちらも早くでたんだろうな。これまで北海道の山をたくさんではないながらも登ったが、大雪山は格別。スケールが違う。デカイ!広い!とにかく懐が大きいと感じる。


★北鎮岳

懐の大きさを感じれるのが、この北鎮岳。。南を見れば御鉢平をグルリと取り囲む山並みとその向こうにトムラウシ。西には旭岳から広がる裾合平と比布岳、安足間岳。北には層雲峡をはさんでニセイカウシュッペ山をはじめとする北大雪の山々。そして東は逆光でイマイチだ・・・。まあ、日が昇れば黒岳方面がきれいに見えるでしょう・・・と。


北鎮岳より比布岳と安足間岳
北鎮岳より御鉢平を囲む稜線

旭岳と大塚
北鎮岳より裾合平


★比布岳⇒愛別岳⇒安足間岳

北鎮岳をあとにし、比布岳へと向かう。途中には鋸歯のような稜線の鋸岳があるが、これはあっさりと巻いてしまう。盛りを過ぎたお花畑も点在し、この間も気分最高の稜線歩き。比布岳の登りが意外ときつかったなあ・・・。


比布岳からの愛別岳
安足間岳の北面は赤ガレ


愛別岳へは分岐に荷物を半分残してのアタック。ザレザレの急な下りを下るのだが、見た目ほどいやらしくはなく、ザレはしっとりとしていて、踏み跡もしっかりしている。1ヶ所岩場の下降でいやらしい部分があるが、慎重に下れば特に問題なし。愛別岳の登りで踏み跡が錯綜しているところがあり、間違うと苦労するかもしれないな・・・という箇所があった。


愛別岳分岐よりザレ尾根を見る
愛別岳からの安足間は大雪らしからぬ姿

愛別岳は大雪山の北の端にちょこんと突き出た山。それだけに、大雪山の中でも一味違った景色がみれるのでは・・・と期待。実際は・・・二味くらい違った。まずは比布岳から安足間岳にかけての赤ガレがインパクト強すぎ。大雪らしからぬ景観だ。ガレの壁が高すぎて、その先が見えない・・・。また周囲半分以上の展望が下界。上川は意外と大きい町なんだなあ・・とか思った。ちょっと期待はずれの展望だったかな。期待が高かったというか、予想が違っていただけかもしれないな。


安足間岳からの旭岳
当麻乗越からの旭岳


期待してなかったのに素晴らしい展望だったのが安足間岳。とくに旭岳から落ちていく裾合平の広がりが印象的。思わずここで大休止。ここまで暖めていた冷たいビールを頂く。予定では永山岳経由で下山するはずだったが、この景色とお別れするのはもったいないと、当麻岳経由で下ることにした。そうしたら前日雲ってイマイチだった沼ノ平も堪能できそうだし。


★当麻岳から沼ノ平

当麻岳は安足間岳から当麻乗越へと続く尾根上にある小ピーク。実際にどれが本物の当麻だけかを特定するのに苦しんでしまう。右の旭岳、裾合平、中岳温泉あたりの景色を腐るほど見たが、飽きの来ない素晴らしい景色であった。

沼ノ原に映る当麻岳と永山岳
きのうと打って変わって晴れの沼ノ原


行きに絶景に違いないと感じた1590mピーク。ここはまさに絶景と呼ぶにふさわしい絶景だった。旭岳方面もいいし、見下ろす感じの沼ノ平も最高。晴れていたらこうも違うのか・・・。予定を変えてこっち回りで降りてきて正解だった。

素晴らしい景色が見れて正解だった半面、体力的にかなり詰んできた感が・・・。1時間ほど余分に歩くことになるし、ぬかるみも待っている。辛かったのは見所が終わってから。あとは愛山渓に下るのみとなってからがしんどかったなあ。


★愛山渓温泉

愛山渓温泉は春になるとスキーのメッカになるようだ。常にスキーを意識しながら歩いていたが、永山岳や当麻岳には美味しそうな斜面が目白押し。北アルプスにも引けを取らないスケールの大きな滑りができそうだ。温泉は情緒があるといえばそうだが、下山後に汗を流す目的ではちょっと・・・・。熱いし、シャワーはないし、蛇口からお湯が出ない。純粋に温泉目的ならマルなんだろうなあ・・・。

今日ももう夕方。初めてのキャンプ場を探している時間はない。ということで今晩も愛別きのこの里キャンプ場へ。こいつら何やってんだ・・・といい加減管理人に思われていることだろうなあ。


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