二俣まではナメ床があったりして爽快!
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多段のナメ床も
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997mの二俣を右に取ると、傾斜が少しずつ増してくる。ただ、ここからはしばらく荒れた感じの沢となり、単調なゴーロ歩きに明け暮れる。北広島からの6人組を抜いた。カムエクのように巻き道もあるようだが、かえって面倒なので、全て沢通しに行く。その方が気持ち良いし、色々考えなくて済む。1245m地点からは扇状に沢が広がり、そこから滝場がスタートする。右岸には風前の灯の雪渓が残っていた。
最初の滝である2段の滝
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2段の滝上段を登るT世さん
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まずは2段の滝。巻き道は右側にあったが、登れそうか偵察に行く。下段は階段状で快適に登れるが、上段は取り付きがややいやらしかった。上部は手足ともに十分だが、荷が重いので慎重に登らざるを得なかった。滝上に立って下を見たら、いつの間に追い抜いたのやら、3人組が滝の下に立っていた。次の滝も簡単に登れる。そのあとは快適なナメ滝歩きとなる。右に左に登り易そうなところを選びながら高度を稼ぐ。ナメが終わると再びゴーロとなるが、それはしばらくで、ヒョッコリと北東カールに飛び出した。あっけない・・・。
カムエクの滝場は本流からかなり離れたところに巻き道があり、滝場の全貌を見ることができない。その点このエサオマンは本流沿いに巻き道がついているようで、登れれば直登、登れなければ巻き道を選択することができるので、ルート的にも面白い。全て直登できたのも、この点が大きいかな。
長さ300m、標高差100mのナメ滝
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ナメ滝登りは疲れを忘れる
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北東カールに出るとテントはおろか、誰もいない。意外だった・・・。前にもう1パーティはいると思っていたし、縦走組みが張っているかもとも思っていた。カールはカムエクの八ノ沢カールよりもこじんまりとしている。カムエクでも書いたが、北アルプスのような巨大なカールと比べると、かなり見劣りはする。でも、これはこれで箱庭のようで雰囲気がある。あと、緑が多いのも日高のカールの特徴か・・・?まだ少ししか見てないから、いい加減なことは言えないが・・・。
幸運にも一等賞だったので、一番平らに整地されているサイトをゲット!その後続々後続が到着。後になるほど荒れたテン場となり、最後の4人組は、新たに土木工事を施してのテント設営だった。カールの一段上やちょっと横の方は、熊の掘り返しが多数あり、改めて日高の熊の多さを実感。
エサオマンの北東カール
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今日のテン場は大盛況!
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北東カールだけに、この時間太陽は南西から差す。したがってモロ逆行だ。せっかくの絶景がもったいない。明日の朝に期待だな。登ってくる途中もそう。ナメはかなり良かったが、逆行なので写真の映り栄えはイマイチ。それが今日一番の残念なところかな。これだけ晴れているのだから、文句を言ったらバチがあたってしまいそう・・・。太陽が沈む頃にはガスが出始めてきた。
夕食時は隣の北広島6人組の輪に加えさせてもらった。北海道の山の話をたくさん聞けて有意義だった。つまみなんかも頂いたりなんかして・・・。9月ともなると、日が傾くとさすがに寒くなり、まだ明るいうちにテントに入った。
■8月15日(火)
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朝起きると十勝側は晴れていたが、真上の空はちょっと変なうす雲が出ていた。晴れているわりに朝方は寒くないし、露もまったく降りていない。南風でも入ってきているのか、なんかいやな予感がした。
カールから稜線に至るルートが、このエサオマンの核心部。登るルートはたくさんあり、どれでも登れるらしいが、難易度がピンキリとのこと。概して左のルートほど傾斜が緩くて安全らしい。まず4人組が明るくなると同時に出陣。左から2番目のルートへ。次の6人組は一番左のルート、3人組も左のルートを取った。さて、うちらはどうしよう・・・。左が楽だとはいえ、2番目もそう悪くはなさそう。先行者の落石も怖いので、2番目のルートを登ることにした。
稜線手前からのピラミダルなエサオマン
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JPからの展望 中央左がカムエク
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やはり一番左が一番楽なルートだったか・・・?2番目のルートはずっとガレルンゼを登り、直下まではスイスイ登れたが、最上部が不安定なガレとなり、これは下りは無理と思いヤブに逃げた。途中の細かいホールドの部分も下りは厳しそうだったし・・・。ヤブが長いなあ・・・と思っていたら、ジャンクションピークの山頂に飛び出した。損した・・・。稜線に向けて登っている途中から、ポツリポツリと雨が降り出してきた。
エサオマン山頂へはひと登り
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エサオマンからJPと北東カール
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ジャンクションピークに到着。山の西側には湿った怪しい雲が・・・。しかし展望には影響なく、日高の山並みがクッキリと見える。日高の稜線に立つのは4度目だが、初めて遠くまで山並みを見ることができた。う〜ん、独特だ。稜線は細くて谷が急峻なところは中央アルプスに似ているが、日高には岩稜はなく、稜線まで緑が続いている。稜線はハイマツになっていて、これが日高の縦走を難しくさせているのだろう。
南には先日登ったカムエクが、北には4年前に登った幌尻岳が大きい。戸蔦別岳からピパイロ岳にかけての稜線がひときわ美しい。あそこを歩くと、さぞ気持ちが良いだろうなと思った。尾根のピストンでもいいから考えてみるか・・・。
北カールと幌尻岳
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ひと登りでエサオマンの山頂へ。3人組と6人組は北カールが見下ろせるところまで行っていた。北カールは熊が多く生息するところらしい。多い時には5頭もの熊を同時に見ることができるみたいだ。うちらも行ってみたが、熊はいなかった。身の危険を感じない距離で、一度見てみたいものだが・・・。北カールは北東カールよりも完成度が高そうだ。そうこうしているうちに本降りになってきた。風も強い。おまけに雷らしきものも鳴り出した。撤退だ!
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下りのルートは一番右側のルートから。こちらには踏み跡バッチリで、安全に下ることができた。赤テープもあるので、登りの際に取り付きさえ間違わなければ大丈夫。あとカールにある二つの窓のうち、左側も割合安全に登下降できそうだ。
テン場に戻ると雨はやみ、空は多少明るくなってきた。ちょうど悪い時に稜線にいたもんだ。でもまあ、雨が上がってくれてありがたい。とくにテント撤収時は。下りにくいかと思っていたナメ地帯と滝場だが、ややこしいところは巻き道を使ったりして、サクサクと下ることができた。あとはつまらない河原歩きが長かった。
■航空公園へ
林道を戻り、自転車回収のためにポロシリ自然公園に立ち寄る。ここのおねえさんも自転車に乗るようで、また山にも登るようで、話が弾んだ。温泉は芽室町の新嵐山荘。ここはシャンプー、石鹸完備できれいなのに、260円と格安。
明日も天気が良さそう。噴火のあと、しばらく登山規制が続いていたが、9月1日から解禁となった雌阿寒岳にでも登ろうか・・・。中間くらいに位置する、上士幌町の航空公園キャンプ場まで動いておこう。
下山後の定番となりつつある、ローソンのうどん。今日も上士幌町のローソンで「かき揚げうどん大盛り」を食った。かなりの量なのに380円くらいと、新嵐山荘に匹敵する格安ぶり。うどん屋付のローソンがもっとたくさんあればいいのだが・・・。